419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/05/01(火) 03:58:30.82 ID:wh2qskCL0
('A`)「まぁ、そう言うなよ俺なりに頑張った結果なんだから」
ドクオはぶっきらぼうに答える。
気を悪くしたか?」
ドクオの態度にクーは少し遠慮がちに聞く
('A`)「…いや、そんなことはねーよ」
川゚⊿゚)「そうか。しかし妙な偶然もあるものだな」
425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/05/01(火) 04:09:06.71 ID:wh2qskCL0
('A`)「そうだな、こんな所で再会するとは、事実は小説より奇なりってか」
川゚⊿゚)「ブーンが好きなゲーム…ときめき?なんとかでありそうな展開だ」
('A`)「…感動の再会で話す内容じゃねーよ」
ドクオの言葉を聞き流しクーは話を続ける
川゚⊿゚)「だが、現実はゲームよりも奇妙だぞ」
('A`)「…?」
クーの言葉の真意をドクオはまったく理解できていなかった
川゚⊿゚)「もうそろそろ来る頃だ」
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/05/01(火) 04:18:47.05 ID:wh2qskCL0
「おーいクー、ツーンちょっと待つおー!」
「遅いわよ!!早くしなさいよ!!このボンクラ!!」
―デュクシ!!!
「ぶべら!!!!」
('A`)「…あの声?」
川゚⊿゚)「その通りだ」
ξ゚⊿゚)ξ「クー、おまたせ」
('A`)「…ツン?!」
ξ゚⊿゚)ξ「…?ドクオ?!何でここに?」
('A`)「ツンがいるって事はまさかさっきの間抜けな声は…」
川゚⊿゚)「いい推理だ、ワトソン君」
435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[]:2007/05/01(火) 04:36:47.37 ID:wh2qskCL0
(#)ω;)「ううぅ、いくらなんでもこの仕打ちはひどいお」
('A`)「…どちら様で?」
(#)ω;)「僕は内藤ホライゾンと申しまふ、ちょっとしゃべり難い状態なので
聞きづらいのは堪忍していただきたいほ」
('A`)「ブーン!!」
(#)ω;)「なんで僕のあだ名ほご存知で?」
ξ゚⊿゚)ξ「いい加減に気づかんかー!!この能無しーー!!」
―デュクシ!!!
(#)ω(#)「あうち!」
収拾がつかない状態になったところでクーが割ってはいる
川゚⊿゚)「ブーン、とりあえずこれで顔を拭け。そしてよく見ろ」
スマン、そろそろ仕事に戻る
2時間後にこのスレが残ってって
wktkされてるようなら続き書いてみる
そのときはたぶんPC変えてID変わってるから鳥つける?
438 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 04:57:43.29 ID:wh2qskCL0
鳥テス
451 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 06:35:14.70 ID:/sAgwj0h0
保守してくれた人ありがとう
じゃあ今からかくわ
稚拙な上に遅筆だが付き合ってくれたら幸いだ
453 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 06:50:01.52 ID:/sAgwj0h0
クーの渡したハンカチを手に取りブーンは顔を拭う
( ^ω^)「クーありがとうだお、ふーツンもこれくらいの優しさがあるといいのに…
どれどれ」
ブーンはぶつくさ愚痴りながら顔を拭いドクオに向き直る
( ^ω^)「どどどどど、ドクオ!!!どうしたんだお!」
('A`)「どうもこうも、VIP大の入学式に来たんだが」
( ;ω;)「うれしいおー!無理してVIP大に入ったかいがあったってもんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「ゲッ!キモい顔!!ほら、鼻水と涙拭きなさいよ」
ツンがティッシュを差し出すがそれに気づかずブーンはクーのハンカチで鼻水を拭う
( ;ω;)「ズビーーーーー!!」
ξ゚⊿゚)ξ「何しとるか!!このバカチンがーー!」
( ;ω;)「へ?デカチン?僕のムスコはでかくないお。それはツンがよく知ってるはずだお?」
ξ//⊿//)ξ「この!スカポンタン!!」
この日ブーンは空を飛んだ
455 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 06:59:51.40 ID:/sAgwj0h0
‐その日の夜
4人はとあるバーのまえに来ていた
('A`)「おい、こんな所で飲むのか?おれ金ねーぞ?」
川゚-゚)「安心しろ、良心的な値段だから」
ξ゚⊿゚)ξ「それに、顔も利くしね」
('A`)「どういうことだ?」
( ^ω^)「入ればわかるお、僕たちの再会を祝うのにココ以外の場所は考えられないお」
('A`)「?」
―カラン コローン
「やぁ、バーボンハウスへって君たちか?ココは未成年のくるところじゃないぞ」
457 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 07:11:50.81 ID:/sAgwj0h0
川゚-゚)「そう言うな、今日は特別ゲストがいるんだから」
クーの視線の先には見慣れた顔が出迎えていた
(´・ω・`)「特別ゲスト?」
('A`)「ショボン!お前何してんだよ?!」
(´・ω・`)「ドクオこそなぜクーたちと一緒に?」
驚くドクオとショボンの様子を後ろで見ていたブーンが割ってはいる
( ^ω^)「驚いたかお?ショボンはバーテンの修行中なんだお」
('A`)「未成年が働いていいのかよ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ココはね、ショボンのお兄さんのシャキンさんのお店なのよ」
(´・ω・`)「まぁ、そういう事さ。ドクオ久しぶりだね」
459 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 07:23:17.28 ID:/sAgwj0h0
('A`)「久しぶりだな、そのしょぼくれた顔を見るのも」
懐かしい旧友に囲まれドクオが悪態をつく
(`・ω・´)「やれやれ、こんな口の悪いお客がいるんじゃ他のお客に迷惑だね」
いつの間にかシャキンが【本日貸切】と書かれた札をもって裏から出てきた
(`・ω・´)「常連のお客様に迷惑をかけるわけにもいかないし今日は君たちで貸切だ」
(´・ω・`)「兄さんいいのかい?」
(`・ω・´)「安心しろ、お前の給料から引いとくから」
そういうとシャキンは店の外に札をかけに出て行った
(;´・ω・`)「ちょ、兄さん!」
川;゚-゚)「ショボン、すまん」
460 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 07:39:46.19 ID:/sAgwj0h0
( ^ω^)「では、再会を祝ってーー!」
川゚-゚)ξ゚⊿゚)ξ('A`)「かんぱーい!」
一人落ち込むショボンを放置して4人は再会の宴を開始した
('A`)「しかし、ツンやクーはともかくブーンはよく受かったな」
( ^ω^)「おっおっおっ、僕はやればできる子だったらしいお」
ξ゚⊿゚)ξ「嘘おっしゃい!私とクーが勉強見てあげなきゃどうなってた事やら」
( ^ω^)「それでも、実際にがんばったのは僕だお」
ξ//⊿//)ξ「そ、そうね、ブーンががんばったのは認めてあげるわよ」
461 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 07:41:53.02 ID:/sAgwj0h0
川゚-゚)「まぁ、動機は不純だがな」
('A`)「動機?」
ドクオの疑問にツンが過剰に反応する
ξ//⊿//)ξ「クー!」
川゚-゚)「『私と一緒の大学に入れたら付き合ってあげてもいいわよ』だったか?」
クーはニヤニヤしながらブーンに話を振る
( ^ω^)「そうだお、だから僕はがんばったんだお」
ξ//⊿//)ξ「……ショボン!おかわり!!うーんと強いやつ!!」
ツンは真っ赤になってグラスをショボンに突き出した
464 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 07:56:18.29 ID:/sAgwj0h0
―数時間後
川゚-゚)「…そうか、ドクオは弁護士になるためにVIP大に」
('A`)「ああ、世の中知的障害者の事件ってけっこうあるだろ?
その被害者たちの力になりたいんだ」
すでにツンは酔いつぶれてソファーに横になりブーンは介抱しているため
カウンター席にはクーとドクオだけになっていた
('A`)「もちろん、知的障害者にも人権があるし、法律上罪に問われない事もある
それでも俺は被害者の人権を守るために弁護士になろうと考えたんだ」
川゚-゚)「…あの事件のことを引きずってるのか?」
少しためらいがちにクーはドクオに尋ねる
('A`)「気にならないといえば嘘だな。俺はあのせいでブーンやショボンやツン、
そしてクーと離れて暮らすことになった。…とても、辛かった。」
川゚-゚)「…」
466 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 08:05:13.02 ID:/sAgwj0h0
僅かな沈黙の後にクーがドクオに問いかける
川゚-゚)「…カタワーの事、恨んでるか?」
('A`)「…恨んだりもした。ほら、俺こんな性格だろ?暗いし口も悪い
転校してからなかなか友達もできなったし」
ドクオは少し表情を曇らせた
('A`)「…なんで俺がこんな目にあわなきゃいけないんだろう?
なんで、俺が生まれ育ったあの街をでなきゃならないんだろう?
あいつさえ居なければって何度も思った。
…あいつに会うことがあったら殺してやりたい。そんなことを考えたりもした」
467 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 08:17:06.84 ID:/sAgwj0h0
ドクオの曇った表情は少しづつ自嘲するような笑みに変わっていった
('A`)「…最低だろ?」
川゚-゚)「…そんな事はない!私だって辛かった。
ドクオの居場所を奪ったカタワーが許せなかった!」
クーの珍しく激しい感情にドクオの方が面食らった
('A`)「…クー、落ち着いてくれ」
ドクオが優しく諭すがクーの爆発は止まらない
川゚-゚)「なんで、あいつのせいでドクオが私の前から居なくならなきゃいけないんだ?
なんで被害者であるはずのドクオに追い討ちをかけるような事になるんだ?」
クーの怒声はしだいに涙声に変わる
川;-;)「…なんで、私からドクオを奪うんだ?」
469 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 08:29:51.53 ID:/sAgwj0h0
川;-;)「…ドクオ、だから自分を責めるな、ドクオは悪くない。
ドクオの感情は人間なら当たり前の感情だ」
('A`)「…ありがとう」
ドクオはポケットからハンカチを出すとクーに手渡す
('A`)「…落ち着いたか?」
川゚-゚)「ああ、すまない。取り乱してしまって」
クーが落ち着いたのを見計らってドクオはグラスに残った溶けた氷で
薄くなったブランデーをあおると話を続ける
('A`)「…でもな、恨みって感情はなかなか持続しなくてな、時がたつと多少は和らぐものなんだ」
('A`)「…
471 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 08:40:19.64 ID:/sAgwj0h0
('A`)「…これは物事が冷静に考えられるようになってから、思ったことなんだがな
あの事件はカタワーが悪かったとは言えない気がしてきたんだ」
川゚-゚)「…なぜだ?」
ドクオの言葉に少しクーがムッとする
('A`)「カタワーだって悪気があったわけじゃない。
むしろ悪いことをしたって自覚すらないだろう」
川゚-゚)「だからって…」
472 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 08:41:47.05 ID:/sAgwj0h0
クーが反論しようとしたところでそれまでカウンターの奥でグラスを洗っていた
ショボンがクーの前にウーロン茶を差し出す
(´・ω・`)「クー、落ち着いて。君らしくないよ」
そして、ドクオに向き直る
(´・ω・`)「まずはドクオの出した結論を聞こうじゃないか」
川゚-゚)「む、すまない」
クーはウーロン茶を一口飲む
474 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 08:50:50.27 ID:/sAgwj0h0
('A`)「俺はな、世の中が悪いと思うんだ」
ドクオの言葉にクーは少し困惑する
川゚-゚)「それはどういう事だ?」
('A`)「知的障害者に対する偏見や差別がある中で知的障害者の人権を過剰に守ろうとする法
どっちも極端なんだと俺は思うわけだ」
ドクオがグラスに残ったブランデーを飲み干すとショボンは
黙って新しくブランデーを用意し空のグラスと取り替える
新しく用意されたブランデーを一口のみドクオは言葉を紡ぐ
477 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:03:33.28 ID:/sAgwj0h0
('A`)「できることなら世間を変えたい。知的障害者の人権を守りつつ
障害者の起こす犯罪を抑制し、犯罪が起こった時は被害者の人権も守れるように」
ドクオはまっすぐにクーを見つめる。その瞳の奥には決意の色が見えた
川゚-゚)「それなら、政治家にでもなったらいいんじゃないか?」
478 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:03:56.26 ID:/sAgwj0h0
クーの質問にドクオは少しさびしそうに答える
('A`)「俺にはその理想を叶えられないんだ」
川゚-゚)「なぜ?それだけ高い志があれば政治家になって法の改正だって…」
('A`)「俺は障害者事件の被害者なんだ」
川゚-゚)「っ?!」
('A`)「どうしても心の奥底には知的障害者に対する捨てきれない偏見がある」
480 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:15:47.00 ID:/sAgwj0h0
('A`)「いくら恨みが和らいでもどうしても捨てきれない。
いくら0に近づいても0にはならない。
そんな偏見を持った人間には高すぎる理想だ」
クーもショボンも口を挟むことなく黙ってドクオの言葉に耳を傾ける
('A`)「だから、おれは被害者を守れる様になりたいんだ。
被害者の気持ちなら誰よりもわかるつもりだから」
そう話したドクオの瞳はどんな宝石より澄んで輝いていた
(´・ω・`)「すばらしい決意だね」
481 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:17:23.51 ID:/sAgwj0h0
('A`)「よせやい、ショボンにほめられると背中がかゆくならぁ」
(´・ω・`)「時にドクオ」
('A`)「ん?」
(´・ω・`)「やらなか?」
その後クーの中指一本拳がショボンの人中にめり込んだのは言うまでもない
482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/01(火) 09:22:20.69 ID:Fvfdgg3+O
やらなか?
483 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:24:36.04 ID:/sAgwj0h0
('A`)「さて、そろそろ、お開きにするか」
川゚-゚)「そうだなブーン、ツンの様子は?」
クーが振り返るとブーンはツンの横で寝息を立てていた
(´・ω・`)「ブーンならツンが寝入ったから話に混ざろうとしたけど
ついていけなくて「もういいお!」って言いながらふて寝したよ」
('A`)「そうか、そりゃ悪いことをしたもんだ。おい、ブーン、帰るぞ」
それでもブーンは起きる様子はない
(´・ω・`)「ブーン達なら僕に任せて君たちは帰りなよ」
484 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:32:11.11 ID:/sAgwj0h0
>>482
スマン間違ったorz
('A`)「そうか、じゃあ頼むわ」
川゚-゚)「うむ、ショボン」
(´・ω・`)「なんだい?」
川゚-゚)「ドクオが相手してくれなかったからってブーンに手を出すなよ」
(´・ω・`)「わかってる。クーよりも恐ろしいツンを敵に回す気はないよ」
その瞬間ショボンの目にはクーの純白の下着が目に入った
('A`;)「…ずいぶんキレのいい回し蹴りですこと」
486 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:40:02.09 ID:/sAgwj0h0
ドクオとクー
離れて暮らした二人は今
手の届く距離に居る
二人並んでどちらともなく手を繋ぎ無言で歩く
月明かりが二人を照らし
二人は線路沿いの道をゆっくり歩く
まるで今まで離れていた時間を取り戻すように
先に沈黙を破ったのはドクオだった
488 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:45:53.46 ID:/sAgwj0h0
('A`)「ところでクー、電車の時間は平気なのか?」
川゚-゚)「うむ、終電は0:32だからなまだ大丈夫だ」
そういうとクーは自分の腕時計をドクオに見せる
時計の針は0:15を少し回ったところだった
('A`;)「…なぁ、この時計止まってるぞ」
川゚-゚)「なにを言ってるんだ?」
そういってクーは腕時計をもう一度見る
川゚-゚)「………あ」
490 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:50:00.07 ID:/sAgwj0h0
間抜けな声を上げたクーは急いでカバンから携帯を取り出し画面を見る
川゚-゚)「………あ」
再びクーは間抜けな声を上げそのまま固まった
('A`)「どうした?」
ドクオがクーの携帯を覗き込むとそこには
0:41と時刻が表示されていた
492 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 09:59:36.27 ID:/sAgwj0h0
川;゚-゚)「…困ったな」
('A`)「…とりあえず、駅に行こうタクシーがあるだろ」
川;゚-゚)「…でも、持ち合わせが無い」
('A`)「俺が貸すから」
川;゚-゚)「…いや、それは悪い」
('A`)「気にすんな、行くぞ」
そういうとドクオはクーの手を引いて歩き出す
川;゚-゚)「ちょ、ドクオ…」
クーは反論しようとするがドクオは耳を貸さずに駅に向かった
496 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 10:20:59.35 ID:/sAgwj0h0
駅に着くとすでにタクシー乗り場には長蛇の列が出来ていた
('A`)「あちゃー、こりゃ二時間待ちか?」
川;゚-゚)「…」
('A`)「流しのタクシー拾うしかねーかな」
そういってドクオは交差点に目を向けるがすでにタクシー争奪戦が始まっていた
('A`)「この時期は飲み会多いしなー、参ったな」
川゚-゚)「…ドクオはどうするんだ?」
それまで黙っていたクーが口を開く
499 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 10:31:10.35 ID:/sAgwj0h0
('A`)「ん、俺か?俺のアパートすぐ近くだから歩いて帰れる」
川゚-゚)「…そうか。なら泊めてくれないか?」
('A`)「…へ?」
川゚-゚)「泊めてくれないか?って言ったんだ」
(゚д゚)「…」
川*゚-゚)「こっちみんな、なんて言わないぞ。むしろ見つめてくれ」
しばしの沈黙
('A`;)「ちょ、クー!時に落ち着け!お前酔ってるだろ!!」
川*゚-゚)「うむ、だがアルコールには強い体質でな意識ははっきりしている」
再び沈黙
川*゚-゚)「…いやか?私の気持ちくらいすでに知っているだろう」
502 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 10:40:18.27 ID:/sAgwj0h0
その後ドクオは何を話したかなんて何一つ覚えていない
途中コンビニで買い物をしたいといったクーの言葉に
首が折れそうな勢いでうなずいたことくらいは覚えている
そしてシャワーを浴びたドクオは自室のベットの上に腰掛けてた
部屋の中にはクーがシャワーを浴びている音だけが響いている
('A`;)「…落ち着け、落ち着け、落ち着け」
呪詛のように繰り返すドクオ
ふとベットに目を落とすとコンビニの袋がある
('A`)「…下着はわかるが、後何を買ったんだ?」
ドクオが袋を除くと小さな箱状のものが入っている
('A`;)「…こ、これは!!」
想像にお任せします
503 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 10:45:38.06 ID:/sAgwj0h0
不意にシャワーの音がやみバスルームの扉が開く
川*゚-゚)「…ドクオ、おまたせ」
そこにはクーには少し大きめのドクオのワイシャツを着たクーが立っていた
('A`;)「…いやいやいや!待ってなんかいないです!今来たところですから!」
川;゚-゚)「…少し落ち着いたらどうだ?」
504 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 10:50:07.66 ID:/sAgwj0h0
川*゚-゚)「…隣に座ってもいいか?」
('A`;)「どーぞ!どーぞ!ご遠慮なく!」
ドクオの返答にゆっくりと隣に腰を下ろしたクーは
そっとドクオの肩に頭を預ける
∑('A`;)「…!!!」
そのままドクオは石像となった
二人の間に重苦しい沈黙が流れる
505 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 10:58:06.31 ID:/sAgwj0h0
どれくらいそうしていただろうか?
ほんの5分だったような1時間もそうしているような
そんな時間の流れすらわからない状態で
沈黙を破ったのはクーだった
川゚-゚)「…ドクオ」
クーはささやくように甘くドクオの名前を呼ぶ
∑('A`;)「…ひゃい!!!」
川゚-゚)「…緊張してるか?」
('A`;)「ななな、なんばいいよっとですか?!緊張なんかしてないでごわすよ!」
ガチガチのドクオの様子にクーはくすっと笑う
川*゚ー゚)「…無理しなくていい。私も緊張している」
そういうとドクオの頭を抱えドクオの耳を胸に押し付ける
∑('A`;)「…!!!」
川*゚ー゚)「…聞こえるか?私の心臓の音だ」
509 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 11:07:02.25 ID:/sAgwj0h0
('A`*)「…」
川*゚ー゚)「…」
再び二人の間に沈黙が流れる
今度は先ほどとは違う優しくて甘い沈黙
いつまでもそうしていたいような
そんな心地よい沈黙
ドクオがクーの胸から顔を上げると
自然と二人の視線は結ばれる
そのままどちらとも無く吸い寄せられるように顔を近づけ
そして、二人はキスをした
511 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 11:13:06.50 ID:/sAgwj0h0
二人は口付けを交わしながらベットに倒れこむ
お互いに背中に手を這わせ
お互いの体温を分け合うように体を重ねた
512 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 11:16:22.28 ID:/sAgwj0h0
(*゚ρ゚*)「ふぅ!はぁ!あっ!き、きもちいいぃいぃ!!はぁ!あっ!アァァァァァァッ!!」
∑(゜A゜;)「うわああああああああああああ!!!」
その刹那ドクオは叫んだ
∑川;゚-゚)「ドクオ!!!!どうした!!!!」
∑(゜A゜;)「うわああああああああああああ!!!やめろーーー!!!やめてくれーー!!!!」
519 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 11:33:47.13 ID:/sAgwj0h0
(゜A゜;)「くるなあああああああああ!!!やめろーーー!!!やめてくれーー!!!!」
川;゚-゚)「ドクオ!!!おちつけ!!」
クーの言葉に耳を貸さずひたすら頭を抱えて部屋の隅にうずくまるドクオ
(>A<∩;)「くるなあああああああああ!!!」
川;゚-゚)「ドクオ!!ドクオ!!」
クーはひたすらドクオの名前を呼び続ける
525 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 11:41:23.50 ID:/sAgwj0h0
(>A<∩;)「くるな!!!くるな!!!くるな!!!」
川;゚-゚)「ドクオ!!ドクオ!!」
クーの言葉はドクオの耳には届かない
いくら呼んでも叫んでも
ドクオはひたすら拒絶する
川;-;)「ドクオ!!ドクオ!!」
クーの気持ちはドクオに届かない
目をふさぎ耳をふさいだドクオには
クーの涙は見えはしない
クーの言葉は聞こえはしない
クーがどんなに涙を流しても目をふさいだドクオには見えやしない
クーがどんなに叫んでも耳をふさいだドクオには聞こえやしない
526 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 11:49:35.69 ID:/sAgwj0h0
(TAT∩;)「うわあああああ!!!!!!!」
ドクオの目は開かないすべてを拒絶し硬く閉じる
それでもクーはあきらめない
ここであきらめたら愛する人は帰ってこない
再会したときクーが誓ったこと
愛する人との決別は後一回でいい
そして今はその時じゃない
川T-T)「ドクオーーーーーー!!!!もう私を一人にしないでくれ!!!」
クーはドクオの後ろから抱きついた
壊れ物を扱うように優しく
大事なものを離さぬようにしっかりと
川T-T)「ドクオーーーーーー!!!!」
528 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 11:54:58.34 ID:/sAgwj0h0
耳が聞こえないなら心に問えばいい
目が見えないなら見えないなら触れればいい
太古の昔から言葉があったわけじゃない
人は触れ合うことで心でつながることが出来る生き物だ
いまはそう信じたい
川T-T)「ドクオーーーーーー!!!!」
クーは力の限りドクオの名を呼ぶ
唯一愛しい人の名を
531 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 11:59:36.08 ID:/sAgwj0h0
一滴の涙が落ちる
ゆっくりと
その一滴は
耳をふさいだドクオの手に落ちる
愛する人のために流した涙
この世にこれ以上の宝石はありえない
人は生まれながらに至宝の宝石を持っている
533 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 12:08:24.36 ID:/sAgwj0h0
∑(TAT∩;)「っ?!!」
ドクオの叫び不意に止まる
(゜A゜;)「…」
おそるそそる耳をふさいだ手をおろす
川;-;)「ドクオ!!ドクオ!!」
深夜の自室に響くクーの嗚咽
∑('A`;)「クー!!!どうした!!」
∑川;-;)「ドクオ?!!」
('A`;)「どうした!!何で泣いてるんだ?!!」
川;-;)「ドクオ?ドクオか?戻ったのか?!」
540 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 12:20:50.08 ID:/sAgwj0h0
~エピローグ~
― 一ヵ月後
('A`)「桜もすっかり散ったなぁ」
川゚-゚)「もう5月だぞ当たり前じゃないか」
('A`)「今年も花見に行けなかった…」
すっかり葉桜になった病院の桜並木をクーとドクオは並んで歩く
川゚-゚)「今年も?」
('A`)「言っただろ、転校先でろくに友達も出来なかったって」
川゚-゚)「引っ越すまえだって私たち以外に友達居たか?」
∑('A`;)「ちょ!!」
川゚-゚)「事実だろ」
('A`;)「鬱だ死のう…」
541 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 12:21:22.61 ID:/sAgwj0h0
ドクオの言葉にクーが反応する
川゚-゚)「冗談でもその言葉を言うな、私を一人にしたら承知しないからな!」
('A`)「わかってるよ」
そう答えるとドクオはもう一度葉桜を見上げる
('A`)「まぁ、来年でいいか」
急ぐことは無い
来年でも再来年でもいい
もう二人は手の届く距離に居るのだから
~END~
550 名前: ◆DyhKUHe1jM []:2007/05/01(火) 12:35:58.36 ID:/sAgwj0h0
稚拙な上に遅筆なおれの駄文を読んでくれたみんなありがとう
ブーン小説書くのは初めてなもんで読みづらかったと思う
かなり安易な展開でスマン
勉強しなおすわ
PR